【食後血糖値 】運動で下げるエビデンスを解説!:運動のタイミング・時間・強度・種類(階段昇降・貧乏ゆすり)

運動療法

食後の血糖値を効果的に下げるには、どんな運動がよいの?

食後血糖値の改善には、いつ、どれくらい運動するの?

食後は血糖値が最も高くなるタイミングであり、

血管への負担を減らすため食後高血糖を改善することは重要です。

この記事では、食後血糖値を効果的に低下・是正する運動について「運動のタイミング・負荷量・時間・種類」について論文やガイドラインによるエビデンスを解説します。

この記事の結論は以下の通りです。

  • 食後の運動は食後血糖値や1日の血糖コントロールの改善に有効なエビデンスがある
  • 食後の運動は食前の運動よりも食後血糖値の改善に有効
  • 運動は食後すぐ(30分以内)に開始した方が食後血糖値の低下に効果的
  • 食後の運動として階段昇降運動や貧乏ゆすりも効果的な可能性

食後血糖値に対する運動指導について、地域住民のみなさんに講話した内容を、エビデンスベースで解説しています。

この記事を読むメリット
  • 食後高血糖に有効な運動の「運動のタイミング・負荷量・時間・種類」がわかる

食後運動は食前運動よりも効果的に食後血糖値を改善する

食後に運動することは食後血糖値の改善に有効です。

ここでは、食後運動の具体的な効果と食前運動との比較した結果を解説します。

結論は以下の通りです。

  • 食後に運動することで、食後血糖値が改善し、1日の血糖コントロールも良好になる
  • 食後の運動は、食前の運動よりも食後血糖値を大きく低下させる

Kangらは、2023年に肥満と2型糖尿病を対象に食後運動の効果を系統的レビューとメタ解析で調査しました1)。

その結果は以下の通りでした。

  • 運動しない場合と比べて、食後に運動した場合は、食後の血糖値AUCと24時間平均血糖値は有意に低下した

食後に運動することで、食後の高血糖が改善し、1日の血糖コントロールが良好となることが示されました。

また、Aqeelらも系統的レビューから同様の結果を述べています2)。

このレビューでは、肥満と2型糖尿病だけでなく健常者も対象とした研究が含まれています。

その結果、以下のように述べています。

健常者・肥満・2型糖尿病において時間帯に関係なく、食後運動は食後血糖値の改善に有効であることが一貫した結論であった

Aqeelらの“時間帯に関係なく”というのは、

朝食後もしくは夕食後に関係なく、食後の運動で食後血糖が効果的に改善したことを示しています。

食後の運動による血糖改善効果は、健常者・肥満・2型糖尿病でも効果があるようです。

食後に運動することは糖代謝の改善に重要となります。

食事と運動のタイミングに関して、

食前の運動と食後の運動で食後血糖値の変化を比較した研究もされています。

2023年Kangらは、肥満と2型糖尿病を対象に

食前運動と食後運動で食後血糖値の変化を比較しました1)。

その結果は以下の通りです。

食前運動よりも食後運動は食後血糖値の有意な低下を認めた(Hedges‘ g = −0.27,95%CI −0.36~−0.09,p< 0.05)

食前運動よりも食後運動は効果が高いことが示されています。

この要因として、以下のように考察されています。

食後運動により食後血糖が低下するメカニズムは、

食事による血液中のグルコースの蓄積と同時に筋肉活動が起こることで、筋収縮とインスリンによる取り込みが促進され、効率的に血流からブドウ糖が効果的に除去される。

食後の血糖値が上昇するタイミングで運動をすることが重要なようです。

また、2型糖尿病だけでなく、

健常者を含めて食前運動と食後運動の効果を比較した系統的レシューが2023年にEngeroffらが報告しています3)。

その結果は以下の通りでした。

  • 2型糖尿病に関わらず、食前運動よりも食後運動は食後血糖値の有意な減少を認めた(SMD 0.47, 95%CI 0.23~0.70)
  • 食前運動は運動をしない場合と比べ、食後血糖値に有意な変化は認めなかった(SMD-0.13, 95%CI -0.42~0.17)

SMDとは、標準偏差として介入の効果を示す

SMD<0.4:小さい効果 0.4~0.7:中等度の効果 SMD>0.7:大きい効果

2型糖尿病に関わらず、食後血糖の是正には食前運動よりも食後運動が有効でした。

また、食前の運動は効果がない可能性があります。

食前に運動するよりも、食後に運動する方が食後血糖値の改善に有効であることが高いエビデンスで示されています。

糖代謝の改善には、食後の運動を推奨しましょう。

ちなみにですが、Kangらによると

2型糖尿病やインスリン抵抗性がある人の方が食後運動で24時間血糖が改善することが示されています。

健常者よりも2型糖尿病患者の方が、食後運動の効果が高い可能性が示されています。

糖尿病における運動指導では、食後の運動を積極的に指導しましょう。

食後の血糖値を下げる運動のタイミング

ここでは、食後何分で運動をすると食後血糖値に効果的なのか解説します。

以下、結論です。

  • 運動は食後すぐ(30分以内)に開始すると食後血糖値が効果的に低下する
  • 食後の運動は食後血糖値がピークに達する前から開始することが大切
  • 食後60分経過してからの運動では効果が弱い可能性

食後に運動するタイミングは、2013年の糖尿病診療ガイドラインでも、

食後1~2時間ころに行うと食後の高血糖が改善すると記載されています4)。

しかし、糖尿病診療ガイドライン2024の運動療法においては、以下のように変更されています5)。

有酸素運動の実施タイミングに関しては、食後であれば食後高血糖の改善が期待できる

近年の調査では、

食後の運動タイミングを食後60分よりも早く行う方が効果が高いとする報告も増えているようです。

Belliniらは2024年に食後血糖管理のための食後運動処方として以下の内容を挙げています6)。

運動のタイミングは、食事後すぐ(食後15~30分)に運動を開始することが食後血糖値の改善により効果的

食後の運動では、食後血糖値がピークに達する前に開始することが重要です。

食後血糖値のピークに関して、Belliniらは以下のように述べています。

  • 食後血糖値のピークは健常者で食後およそ30~60分
  • 食後血糖値のピークは糖尿病で食後およそ60~120分

そのため、健常者では食後およそ15分、糖尿病では食後およそ30分から運動を開始することが推奨しています。

またChackoは食後血糖値を改善する最適な運動条件を調査したレビューにおいて、

運動のタイミングを以下のように述べています。

食後30分から運動を開始すると、

低血糖のリスクを最小限に抑えて、血糖値の急上昇を効果的に抑制できる

食後30分以内の食後早期で運動を開始することが、

食後血糖値の上昇を抑えるために有効であることが示されています。

さらに、食後60分と食後30分のどちらの運動タイミングが食後血糖値に有効か調査した報告もあります。

Engeroffらは、食後血糖値に影響する食後運動の要因を系統的レビューで調査しました3)。

その結果は以下の通りです。

  • 「食事後60分以内」と比較し,「食事終了後すぐ(0~29分)」に運動した方が食後血糖改善に優れていた(推定値 -0,015, 95%CI -0.024~-0.006, p=0.001)
  • 運動の持続時間,種類,強度は食後血糖値に影響を認めなかった(p> 0.05)

食後血糖値へ影響する要因として、運動のタイミングは最も重要な要素であり、

そして「食事終了後すぐ(0~29分)」に運動した方が食後の血糖改善の効果が高かったことを示しています。

食後血糖値を改善するための運動タイミングは、

食後血糖値がピークに達する前の「食後15~30分」を目安に運動を開始しましょう。

ちなみに、食後すぐの運動では、消化不良など胃腸障害を懸念する人もいるかもしれません。

Belliniらは、高強度での運動では胃腸障害のリスクがあるとしていますが、軽~中強度と比較的軽い運動強度では負担が少ないようです6)。

胃腸に不安がある場合は、運動の強度に注意しましょう。

食後の血糖値を下げる食後運動の強度と時間

ここでは、食後の血糖値を効果的に下げる食後運動の

運動強度と運動時間について解説します。

以下、結論です。

  • 食後運動における運動強度は軽度~中程度が推奨
  • 高い運動強度では短時間の運動でも効果が得られやすい
  • 食後運動における運動時間は30~60分が推奨
  • 10~15分の短い運動時間でも食後血糖値の改善が得られる

2013年の糖尿病診療ガイドラインでは、

運動の到達目標として、中強度の有酸素運動20~60分を推奨しています4)。

しかし、近年のガイドラインでは1回の運動時間ではなく、

1週間の運動時間を重視しています。

糖尿病診療ガイドライン2024やアメリカスポーツ医学会ACSMの2型糖尿病患者の運動に関するコンセンサスでは、

有酸素運動に関する運動強度と時間を以下の通りです5)、1)。

有酸素運動は、中強度なら週150~300分以上高強度なら75~150分以上が推奨されています。

糖代謝や血糖コントロールの改善、インスリン抵抗性の改善に対しては、

中強度~高強度で、1週間単位での運動時間がガイドラインで示されています。

しかし、食後の血糖値改善のための運動では、

運動強度や運動時間はガイドラインとはやや異なるようです。

2022年アメリカスポーツ医学会のコンセンサスでは以下のように記載されています。

食後の運動では、食後のエネルギー消費量が多ければ、

運動の強度や種類に関係なく血糖値が下がり、45分以上の長い運動時間で一貫した効果が得られる

通常の運動処方のように中強度以上の運動強度が必要ではない可能性があります。

また、Chackoらのレビューの結果から、食後の運動強度について以下のように示されています7)。

  • 有酸素運動を<80% VO 2maxの運動強度で、最大60分間続けることが食後血糖値のピークを改善するために重要
  • 軽度強度で60分もしくは中強度20~30分が推奨

運動強度によって運動時間は異なりますが、

食後の運動では、軽い運動強度で20~60分の運動時間が推奨しています。

さらに、Belliniらも2024年に報告した食後の運動強度について、

以下のように述べています。

食後運動における運動強度は軽強度~中強度が推奨

運動強度に関して、状態や好みに合わせて運動強度を調整して良いとしています。

また、高強度の運動では短時間の運動で効果が得らえれるため、

HIIIT(High Intensity Interval Training)などの高強度運動を選択すると場合もあるようです。

高強度インターバルトレーニングHIITは別の記事で解説しています。

しかし、高強度運動では、消化不良などの胃腸障害を引き起こす可能性があるため、

心身が快適と感じる範囲で運動できる軽度~中強度レベルでの運動が推奨されます。

高強度で短時間運動したい場合は、食前に行うとよいでしょう。

Chackoらも高強度運動に関して以下のように注意を述べています7)。

高強度(>80% VO 2max)の運動は、体組成、体力、インスリン感受性の改善に効果的だが、

高強度の運動によって血糖値の変動が大きく、運動後の血糖値の上昇や夜間の低血糖が遅れて起こる可能性がある

高強度運動の有効性を認める一方で、リスク面を配慮して、プログラムを確立する必要が示されています。

有害事象のリスクや食後すぐに運動をすることを考慮すると、

食後の運動における運動強度は軽~中等度と比較的軽くすることが重要です。

運動負荷の設定に関して、

VO2の測定が最も信頼性が高いですが、専用の機器による測定が必要です。

そのため、一般的には、自覚的運動強度と心拍数から運動強度を設定する方法が推奨されます。

自覚的運動強度による方法は以下の通りです。

心拍数による方法は以下の通りです。

運動時間に関して、Belliniらは以下のように推奨しています6)。

30~60分の運動時間が食後血糖値のピークや血糖変動を大幅に改善する

30分以上の運動が有効であると示されました。

運動時間に関する他の報告は以下の通りでした。

  • 運動時間45分以上 1)
  • 軽強度で60分もしくは中強度で20~30分 7)

1回の運動時間は30~60分とするものが多いです。

しかし、Belliniらの文献調査の中には、以下のような調査結果もありました。

  • 健康者は軽強度で10~15分の短い運動時間で、30~40分の運動時間に匹敵する血糖値の改善効果が報告
  • 2型糖尿病患者は、軽~中強度で15分ウォーキングが食後血糖値を効果的に減少した
  • 10分間の運動は食後血糖反応に有意に改善して、30分の運動と同等の効果が認めた

これらの報告をみると、

健常者や2型糖尿病では10~15分の短時間の運動でも食後血糖値を改善する可能性があるようです。

もちろん運動時間が長い方が、糖代謝へ影響する効果も高いです。

しかし、短い時間の運動でも大きい効果が得られる可能性があるため、短時間でも運動を開始するように指導しましょう。

また、Belliniらは運動時間に関して興味深いことを述べています。

ある程度の運動量に達すると,

運動時間は運動タイミングよりも食後血糖への影響が小さい可能性がある。

運動時間よりも食後すぐに運動をする影響の方が、食後血糖値への影響が高いとしています。

運動を始めるハードルが高い人には、

運動時間よりも、食後すぐに運動を開始する点を重点的に伝えると効果的かもしれません。

食後血糖値を下げる食後運動の種類

ここでは、食後に実施する運動の種類について解説します。

以下、結論です。

  • 有酸素運動が推奨されるが、レジスタンス運動も食後血糖値を下げるために効果的
  • レジスタンス運動の後に有酸素運動をすると血糖値の効果が下がる
  • 階段昇降貧乏ゆすりも食後血糖値の改善に効果的

糖尿病のガイドラインでは、長期の血糖コントロールにおいて運動の種類について、

有酸素運動とレジスタンス運動、ストレッチ、バランスの運動が推奨されています1)。

食後血糖値の改善効果がある運動に関しては、

有酸素運動が多いですが、レジスタンス運動も効果があると報告されています。

Belliniらは、2021年に有酸素運動・レジスタンス運動の単発効果と複合効果を比較して調査をしています8)。

その結果は以下の通りでした。

食後0~180分の平均血糖値は、非運動時(9.21 ± 1.60 mmol·L⁻¹)と比べて、すべての運動条件で食後血糖値は有意に低かった

  • 有酸素運動のみ7.42 ± 0.76 mmol·L⁻¹
  • 有酸素運動の後にレジスタンス運動を行う7.51 ± 0.63 mmol·L⁻¹
  • レジスタンス運動の後に有酸素運動を行う7.63 ± 0.53 mmol·L⁻¹ ・レジスタンス運動のみ7.56 ± 0.89 mmol·L⁻¹

有酸素運動はもちろん、レジスタンス運動の単独でも食後血糖の改善に有効であることが示されています。

このBelliniらの調査では、「レジスタン運動の後に有酸素運動をする条件」と「有酸素運動の後にレジスタンス運動をする条件」

のどちらが食後血糖値に効果的か比較しています。

結果は以下の通りでした。

食後血糖値のピークは、「レジスタンス運動の後に有酸素運動」をした時と比べて、

「有酸素運動のみ」もしくは「有酸素運動の後にレジスタンス運動」をした方が有意に低かった

レジスタンス運動の後に有酸素運動をすると、

運動による血糖低下の効果が下がる可能性があると報告しています。

この理由として、Belliniらは以下のように考察しています。

レジスタンス運動により成長ホルモンが分泌すると、

有酸素運動による血糖低下の効果を打ち消す可能性がある。

レジスタンス運動は有酸素運動の後に取り入れるプログラムの方が、食後血糖値には有益かもしれません。

階段昇降は食後血糖値を低下

食後血糖値に影響する運動では、有酸素運動やレジスタンス運動だけでなく、

階段昇降についても調査があります。

日本における調査でHondaらは、2型糖尿病を対象に食後に階段昇降運動を行い、血糖値の変動を調査しました。

結果は以下の通りです。

食後60分と120分に3分間の階段昇降を行うと

  • 血糖値は、食後150分で階段昇降運動の方が非運動時より有意に低かった
  • 時間変化に伴う血糖値である血糖値AUCは、階段昇降運動の方が非運動時よりも18%も有意に低かった

3分間×2回の階段昇降運動は、2型糖尿病における食後血糖値の低下を促進することを示されています。

短時間での階段昇降運動で効果があるようですね。

階段昇降運動は、専用の道具や準備は必要なく、自宅でも簡単に取り組める運動です。

自宅での運動として、紹介するのも良いかもしれません。

ただし、階段昇降運動は膝関節に負担が大きいため、下肢の筋力低下や肥満の方は注意しましょう

貧乏ゆすりは食後血糖値を低下

食後血糖値に影響する運動では、

貧乏ゆすりの効果についても調査があります。

Pettit-Meeらは、2022年に足部の運動によって

ブドウ糖の摂取後の血糖値が変化するか調査しました9)。

足の運動は「自然なリズムで踵を踏み、膝をバウンドさせる」、いわゆる貧乏ゆすり

調査の結果は以下の通りでした。

  • 貧乏ゆすりによって、膝窩動脈の血流を有意に増加させる(p<0.001)
  • 貧乏ゆすりによって、ブドウ糖摂取後の血糖値は有意に低かった
  • 貧乏ゆすりによって、血糖AUCが有意に低かった

安静にして座っているよりも、座りながら足を動かす「貧乏ゆすり」は、

下腿の血流を高め、食後の血糖値改善に役立つことが示されました。

また、貧乏ゆすりの効果について、別の論文でも取り上げられています。

Hamiltonらは2022年にヒラメ筋のプッシュアップ(soleus push up: SPU)についてレビューを報告しています10)。

「ヒラメ筋のプッシュアップ」は、いわゆる「貧乏ゆすり」のことです。

Hamiltonらは、以下のように述べています。

ヒラメ筋はグリコーゲンの使用量が少ない

→(何時間)収縮しても疲れが少ない

代謝の改善に寄与する可能性

貧乏ゆすりによる、ヒラメ筋の収縮運動は食後の高血糖改善に有効性が示されています。

貧乏ゆすりは疲労感も少なく、運動としてはかなり軽い負荷ですが、長時間運動することで、効果が得られるようです。

運動に消極的な人や仕事中など体を積極的に動かせない状況では、とても有効な運動手段の可能性があります。

生活環境や職業、運動に対する積極性などを考慮したうえで、運動を選択しましょう。

まとめ

ここまで、食後血糖値を改善させるエビデンスに基づいた運動について解説しました。

  • 食後に運動することで,食後の血糖値が改善し1日の血糖コントロールが良好になる
  • 健常者、2型糖尿病、肥満症のいずれにおいても、食後の運動は食後血糖値の改善に有効
  • 食前の運動は食後の運動よりも食後血糖値の低下効果が乏しく、食後血糖値に影響しない可能性がある
  • 食後運動のタイミングは、食後すぐ(30分以内)の開始が推奨
  • 食後の血糖値ピークは、健常者は食後およそ30~60分、糖尿病で食後およそ60~120分といわれて、食後の運動は食後血糖値がピークに達する前から開始することが大切
  • 食後運動における運動強度は軽度~中強度が推奨
  • 運動強度が高いと短い運動時間でも効果が得られるため、能力や好みなどに合わせて運動強度と時間を設定する
  • 食後運動における運動時間は30~60分が推奨
  • 運動時間よりも運動のタイミング(食後すぐに運動を開始)の方が食後血糖値の改善には影響が大きい可能性がある
  • 食後運動の種類は有酸素運動が推奨されるが、レジスタンス運動でも食後血糖値を下げる効果が十分にある
  • レジスタン運動の後に有酸素運動を行うと、有酸素運動による血糖値を下げる効果が損なわれる可能性がある
  • 食後血糖値を下げる運動には、階段昇降運動貧乏ゆすりも有効性が報告されている

読んでいただき、ありがとうございました。

糖尿病や血糖コントロールの役に立てば幸いです。

参考資料

  1. Jie Kang, et al. Efficacy of Postprandial Exercise in Mitigating Glycemic Responses in Overweight Individuals and Individuals with Obesity and Type 2 Diabetes-A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2023.
  2. Marah Aqeel, et al. The Effect of Timing of Exercise and Eating on Postprandial Response in Adults: A Systematic Review. Nutrients. 2020.
  3. Tobias Engeroff, et al. After Dinner Rest a While, After Supper Walk a Mile? A Systematic Review with Meta-analysis on the Acute Postprandial Glycemic Response to Exercise Before and After Meal Ingestion in Healthy Subjects and Patients with Impaired Glucose Tolerance. Sports Med. 2023.
  4. 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
  5. 糖尿病診療ガイドライン2024
  6. Alessio Bellini, et al. Exercise Prescription for Postprandial Glycemic Management. Nutrients. 2024.
  7. Elsamma Chacko. Exercising Tactically for Taming Postmeal Glucose Surges. Scientifica (Cairo). 2016.
  8. Alessio Bellini, et al. The Effect of Different Postprandial Exercise Types on Glucose Response to Breakfast in Individuals with Type 2 Diabetes. Nutrients. 2021.
  9. Ryan J Pettit-Mee, et al. Leg fidgeting during prolonged sitting improves postprandial glycemic control in people with obesity. Obesity (Silver Spring). 2022.
  10. Marc T Hamilton, et al. A potent physiological method to magnify and sustain soleus oxidative metabolism improves glucose and lipid regulation. iScience. 2022.

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