高齢者の筋力トレーニング負荷設定チェックポイント(強度・期間・頻度)とディトレーニング

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高齢者を対象に筋力トレーニングをすることはリハビリでは日常的にあると思います。

しかし、トレーニングの負荷設定で疑問に思うことはないでしょうか。

どのくらいの強度で運動したらよいの?

強度はどうやって判断したらよいの?

週に何回くらい運動したらよいの?

日ごろ実施している筋力トレーニングですが、疑問が多くあります。

この記事では、高齢者の筋力トレーニングにおける、

トレーニング強度・期間・頻度・ディトレーニング(トレーニング中止の影響)について論文やガイドラインを参考にまとめています。

この記事の結論は、以下の通りです。

  • 高齢者の筋力向上を目的ら70~79%1RM程度の中等度強度が推奨
  • 高齢者の筋力トレーニングの最適な期間は50~53週以上の長期間だが、6~9週の短い期間でも効果がある
  • 高齢者の筋力トレーニングの最適な頻度は2~3回
  • トレーニングを止めて(ディトレーニング)12週間程度でトレーニング効果がほぼなくなる可能性
この記事を読むメリット
  • 高齢者における筋力トレーニングの運動処方がわかる
  • 高齢者のディトレーニングの影響がわかる

筋力トレーニングに最適な強度:強度70~79%1RM(中等度)で最も効果が高い

はじめに高齢者の筋力トレーニングに推奨される運動強度を紹介します。

筋力トレーニングの目的によって、運動強度も変わることがある点も抑えておきましょう。

ここでは%1RMによる運動強度の設定方法を紹介します。

1RM・%1RMとは

RM(repetition maximum):ある重さに対して何回反復して運動ができるかで運動強度を決める方法

1RM:正しいフォームで1回だけ上げることができる最大の負荷量(強度)のこと

%1RM:RMの何%の強度か示す指標

以下は、%1RMを用いた高齢者の運動強度の結論です。

  • 筋力トレーニングでは60~80%1RMの強度が推奨
  • 高齢者の筋力向上には70~79%1RMが最も効果的な可能性
  • 高齢者の筋肉量増加と筋肥大には51~69%1RMが最も効果的な可能性
  • 虚弱高齢者の筋力トレーニングは40~50%1RM(低強度)から開始

アメリカスポーツ医学会(ACSM)では2011年のポジションスタンドにて、

筋力トレーニング強度について以下の内容を述べています1)。

  • 筋力の向上と筋肥大の効果を得るには60~80%1RMの強度が推奨
  • トレーニングの初心者や中級者は60~70%1RMでも効果がある

筋力トレーニングでは、中等度~高強度が推奨されていますね。

また、地域の65歳以上の高齢者を対象としたレジスタンストレーニングに関する用量反応関係をみた研究があります。

用量反応関係:ある刺激の「用量」と生物の「反応」の関係のこと。簡単には「どれくらいの刺激量でどの程度変化するか」ということ。

この調査は、RCTのみを集めて系統的レビューとメタ解析をしており、比較的エビデンスレベルが高い報告です2)。

高齢者におけるレジスタンストレーニング運動強度の用量反応関係は、以下の通りでした。

  • 運動強度70~79%1RMが筋力向上に最も効果がある(SMD1.89)
  • 運動強度51~69%1RMが筋肉量向上に最も効果がある(SMD0.43)

SMD:統計解析による介入効果を示す標準化平均差。 0.20~0.49小さい効果、0.50~0.79中等度の効果、0.80~大きい効果の指標。

また「理学療法ガイドライン第 2版」にて、

地域高齢者の筋力向上・筋肥大に効果的な運動強度は60~80%1RMが推奨されていると述べています3)。

高齢者の筋力向上や筋肥大を目的とする場合、中等度の運動強度(70%1RM程度)が必要ですね。

ちなみに「理学療法ガイドライン第2版」では、運動強度について以下の注意を述べています。

本邦では傷害発生や血圧上昇の予防あるいはコンプライアンスなどの点を考慮して、高齢者に対しては運動強度を60%1RM以下程度とした低強度の筋力トレーニングが処方されることが多い。

しかし、高齢者に対する低強度筋力トレーニングの有効性を示す報告は限られているのが現状であり、ガイドラインも存在しなかった。

池添冬芽.理学療法ガイドライン第2版ー地域理学療法ガイドラインを中心にー.地域理学療法学.2022.

リハビリでも経験することが多いと思いますが、高齢者という理由だけでなんとなく低強度でトレーニングしている人もいるかもしれません。

しかし、高齢者に対する低強度の筋力トレーニング効果に関する報告は少ないため、可能なら運動強度を上げてトレーニングを行う必要があります。

ただし、リスク管理のために軽負荷から開始して、状態を評価しつつ負荷を上げることは重要です。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)では2011年のポジションスタンドによると、

高齢者やフレイルでは40~50%1RM(軽負荷)から開始する場合がある

としています。

一般的な健常成人に比べ、高齢者や疾患がある人では、運動負荷に対する許容範囲は個人差が大きく、また許容できる範囲も狭いことが多くあります。

筋力トレーニングでは中等度~高強度が必要ですが、目の前の個人に合わせて強度設定をしましょう

あえて軽負荷のトレーニングをすることも、リスク管理として大切です。

ちなみに運動強度の設定には、簡易的に%1RMを推定する方法があります。

専門の機器を使用せず、短時間で簡便に実施できるため、知っておくと臨床で便利です。

低強度の筋力トレーニングの有効性

高強度と低強度のトレーニング効果を比較した研究が報告されています。

21研究からなる系統的レビューとメタ解析の結果、

高強度トレーニングと低強度トレーニングの効果を比較すると

  • 1RM強度は高強度の方が有意に高い (効果量0.58, p=0.002)
  • 筋力は有意差なし (効果量0.16, p=0.19)
  • 筋肥大は有意差なし (効果量0.03, p=0.56) 

でした。

つまり低強度でも、ある程度の効果が望めると示されています。

注意点として、低強度トレーニングでは運動回数や時間が必要であり、効率が悪いです。

全身の状態に合わせ、適切な負荷に上げていくことが必要ですね。

筋力トレーニングに最適な期間:50~53週で最も効果が高い

ここでは、筋力トレーニングの期間はどれくらいが望ましいかまとめます。

以下は、トレーニング期間の結論です。

  • トレーニング開始後2週間程度の筋力向上は神経系の向上が要因
  • トレーニング開始後8~12週を過ぎた筋力の向上は筋肥大が要因
  • 筋力や筋肉量の向上には50~53週(1年)の期間が最も効果が高いが、6~9週間でも十分な効果が見込める

トレーニング期間によって筋力向上の機序が異なる

筋力トレーニングは開始初期と長期の継続で、筋力向上の機序が異なります。

開始初期は神経系の向上により筋力が増加しますが、筋肥大は生じません。

“神経系の向上”4)5)

中枢神経系の興奮閾値の低下(運動単位の種類と総数の変化 / α運動神経の発火頻度向上)

②末梢神経での運動単位数の増加による収縮する筋線維数の増加

筋力に対する神経系の向上は、トレーニング開始から2週間程度とする報告が多いようです。6)

運動生理学にも記載されているDGらの報告は以下の通りでした。7)8)

  • トレーニング20週までは神経系の向上が続き、30週でプラトーに達した
  • 筋肥大は少なくとも最初の10週は起こらないが、それ以降は筋力と並行して向上した

トレーニング開始早期は、筋肥大が生じていないため、神経系の向上により筋力が向上します。

筋肥大は、筋力トレーニングを長期的に実施することで効果が得られます。

筋肥大までの期間は報告によってさまざまです。

  • トレーニング後20日を過ぎると筋断面積が増加4)
  • トレーニング開始10週以降から向上した7)
  • トレーニング開始8~12週で筋肥大を認めた6)9)10)

筋肥大に関する期間はバラバラですが、およそ2~12週の長期的なトレーニングを必要とします。

筋肥大に関する、メタ解析などは調べた範囲でみつからなかったため、筋肥大の厳密な期間はわかっていないのかもしれません。

現段階では、筋肥大の効果はトレーニング開始8~12週以上の長期トレーニングが必要と結論づけている研究が多いようです。

最適なトレーニング期間

筋力トレーニングは、どれくらいの期間が必要?

トレーニング期間と効果量の関係を調査した報告がいくつかあります。

トレーニング期間と効果量に関する結論は以下の通りです。

トレーニング期間が長い(52週以上)とトレーニング効果が高い

Silvaらは、55歳以上の高齢者を対象に筋力向上に対するトレーニング期間をメタ解析で調査しています。11)

結果は以下の通りです。

  • トレーニング期間は筋力の向上と有意な関係がある
  • 8~52週間のトレーニング期間では、トレーニング期間が長い方が筋力向上の効果が高い

また、高齢者のトレーニングについて、Bordeらは用法用量反応を報告しています。2)

筋力と筋肉量は、トレーニング期間50~53週が最も効果的であった(筋力SMD2.34、筋肉量SMD0.59)

トレーニングの期間が最長(5053週)で、最も効果が得られやすいことが示唆されています。

ただし、Bordeらは考察にて以下の内容を述べています。

トレーニング期間が最長50~53週間で筋力の最大増加を認めた(平均SMDbs=2.34、4研究)。ただし、6~9週間の短い期間のレジスタンストレーニングでも筋力は向上(平均SMDbs=2.27、2研究)しており、効果量の差はわずかであった。

Ron Borde, et al. Dose-Response Relationships of Resistance Training in Healthy Old Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2015.

つまり、筋力に関して6~9週間の期間でも十分な効果が得られると明らかになりました。

トレーニング期間は長期的(50~53週)な方が有益な可能性があります。

運動が継続できるようにサポートしましょう。

筋力トレーニングに最適な頻度:週2~3回で最も効果が高い

筋力トレーニングは、どれくらいの頻度で実施することが良いか解説します。

有酸素運動や活動に関して、毎日行うことが「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」で述べられています。12)

しかし、筋力トレーニングによって部位ごとに鍛える場合は、毎日行う必要はありません。

以下、最適な筋力トレーニング頻度の結論です。

筋力トレーニングの頻度は週2~3回

筋力トレーニングの頻度は、週2~3回とする報告が多いです。

アメリカのスポーツ医学会(ACMS)においても、筋力トレーニングは週2~3回を推奨しています。1)

また、高齢者のレジスタンストレーニング用量反応関係を調査した結果は以下の通りでした。

  • 筋力向上には週2回の頻度が最も効果が高かった(SMD2.13)
  • 筋肥大には週3回の頻度が最も効果が高あった(SMD0.38)

高齢者において筋力トレーニングの頻度は、週2~3回が高い効果量であることが示されている。

筋力トレーニングの頻度は、多いほど良いのでは?

こんな疑問に対して、筋力トレーニングの頻度に関する調査を紹介します。

Colquhoumらは、頻度は変えて総負荷量を同じになるよう調整した筋力トレーニングの効果をRCTにて調査しました。13)

この調査のポイントは、低頻度(週3回)群と高頻度(週6回)群を同じ負荷量になるように調整している点です。

その結果は以下に示します。

  • トレーニング後、低頻度(週3回)群と高頻度(週6回)群はともに筋力が有意に向上した
  • 筋力向上の変化量は、低頻度群と高頻度群で有意な差は認めなかった

Colquhounらは、結論として以下の内容を述べています。

トレーニング量と強度が同等である場合、週6回のトレーニングは週3回を超えてメリットが得られるわけではない。

Ryan J Colquhoun, et al. Training Volume, Not Frequency, Indicative of Maximal Strength Adaptations to Resistance Training. J Strength Cond Res. 2018.

負荷量が同じ場合の低頻度と高頻度のトレーニングは、どちらも筋力向上に有効であり、頻度による差はないことを示しています。

また、Ralstonらは、高頻度・中等度頻度・低頻度の筋力トレーニングで運動頻度が筋力向上に影響するかメタ解析にて調査しました。14)

結果は以下の通りです。

  • 低頻度(週1回):平均効果量ES 0.71 (95%CI 0.56~0.86)
  • 高頻度(週3回以上):平均効果量ES 0.78 (95%CI 0.60~0.96)
  • 低頻度と高頻度で効果量は統計的な差は認めなかった(p=0.025)

この調査でも、総負荷量が同じ場合は頻度が筋力向上に影響しないことを示唆しています。

総負荷量とは、強度・回数・セット数・頻度によって設定された負荷量です。

これらの報告から、頻度よりも総負荷量が重要と考えられます。

ただし、総負荷量を増やす効果的な方法として、運動頻度を増やす選択は有効です。

特に、運動経験が少ない人や虚弱高齢者では高い負荷の運動が難しいため、頻度を増やすことで総負荷量を上げる選択もあります。

トレーニングは頻度よりも総負荷量を重視して考えましょう。

高齢者のディトレーニング効果:12週間トレーニングを止めると効果がなくなる可能性

筋力トレーニングを止めると、トレーニングで得られた効果はどうなるか紹介します。

ディトレーニングとは、”脱トレーニング”ともいわれます。15)

トレーニングの減少や中止によりトレーニングで誘発された解剖学的、生理学的なパフォーマンスの適応が部分的または完全に失われること

もしくは、トレーニングをやめている期間。

Mujika I, et al. Detraining: loss of training-induced physiological and performance adaptations. Part I: short term insufficient training stimulus. Sports Med. 2000.

簡単にいうと、トレーニングを止めた後の能力低下のことです。

ここでは、高齢者のディトレーニングについて、まとめていきます。

高齢者のディトレーニングについては以下の通りです。

  • パフォーマンス向上は、ディトレーニング12週間程度でなくなる可能性がある
  • 筋肉量はディトレーニング12~24週間で統計的に有意な減少はないが、31~52週で有意に減少する

Blocquiauxらは、65歳以上の男性を対象にレジスタンストレーニングとディトレーニング、そして再トレーニングによる筋力の変化を調査しました。16)

その結果は以下の通りです。

  • 12週間の筋力トレーニングにより筋力(1RM)は有意に増加したが、12週間のディトレーニングで有意に減少した
  • 12週間のディトレーニング後も、増加した筋力は部分的に残存していた
  • 再トレーニングによる筋力増加の速度は、トレーニング開始時よりも速かった

この調査では、トレーニングを止めて12週間経過すると有意に筋力が減少しました。

筋力トレーニングは3~4ヶ月程度も止めないようにしましょう。

この調査の興味深い点は、12週間のディトレーニング後に再トレーニングを設けている点です。

再トレーニングした結果、

最初に筋力トレーニングを実施したときよりも早い段階で筋力の向上を認めました。

「トレーニングを中断すると今までのトレーニングが無駄」ではなく、トレーニング再開時には有益な効果が得られることが示されました。

例えトレーニングを止めても、また再開することが大切ですね。

また、ディトレーイングの効果をプレフレイル高齢者を対象に調査した報告もあります。

Zecchらはパフォーマンス指標であるSPPBを用いて、筋力トレーニング(ST)とパワートレーニング(PT)の効果とディトレーニングの影響を調査しました。17)

結果は以下の通りでした。

  • 対照群(トレーニングなし)と比べ、12週間のSTとPTによりSPPBは有意に向上した
  • 12週間のディトレーニングにより、ST群・PT群は対照群と比べSPPBスコアに有意差はなかった
  • PTはディトレーニング後もSPPBスコアが維持される傾向は認めた(統計的な有意差はなし)

この調査から、12週間のディトレーニングによってパフォーマンスの向上効果は損なわれる可能性を示しています。

また、この調査の興味深い点はパワートレーニングの影響です。

パワートレーニング群は統計的に差は差はないものの、12週と24週のディトレーニング後もSPPBは高い値でした。

考察でも、筋力トレーニングよりもパワートレーンングの方が長期間トレーニング効果を得られるため有益な可能性があると述べられています。

パワートレーニングについて、興味がありましたら別記事にて紹介しています。

ディトレーニングに関する2つの研究報告をみると、

筋力やパフォーマンスに関しては、12週程度(およそ3~4ヶ月)で”トレーニング効果が減少”もしくは”完全に損なわれる”ようです。

ただし、入院患者や疾患ごとの調査は見つからなかったので、どんな対象者に適応されるかは疑問が残ります。

また、メタ解析などエビデンスレベルの高い研究はみつけられないため、今後の調査が楽しみです。

筋肉量に関しては、ディトレーニングの影響についてメタ解析が報告されています。

Grgicは、65歳以上の高齢者を対象とした「レジスタンストレーニングとディトレーニングが筋サイズへ及ぼす影響」を調査した論文からメタ解析をしました。18)

大腿四頭筋に対して、超音波やCT、MRI、筋生検で筋サイズを評価した6研究が対象です。

レジスタンストレーニングの介入期間は9~24週間、ディトレーニング期間は12~52週間。

メタ解析の結果は以下の通りでした。

  • ベースラインと比較して、筋サイズはレジスタンストレーニング後に有意に増加した(コーエンd 0.99, 95%CI 0.63~1.36、p<0.001)
  • レジスタンストレーニング後と比較して、ディトレーニング後に筋サイズは有意に減少した(コーエンd -0.83, 95%CI -1.30~-0.36、p=0.0005)

コーエンインデックスの効果量:軽微 (<0.20)、小 (0.20 ~ 0.49)、中 (0.50 ~ 0.79)、および大 (≥0.80)

高齢者においても、トレーニングによって筋サイズは向上するが、ディトレーニングにより減少することが明らかとなりました。

また、ディトレーニングの期間を詳細にサブ解析した結果は以下の通りでした。

  • 12~24週間のトレーニング中止後には筋サイズは有意な減少は認めなかった(コーエンd -0.60, 95%CI -1.21~0.01、p=0.06、I2=36%)。
  • 31~52週間のトレーニング中止後、筋サイズの有意な減少を認めた(コーエンd -1.11, 95%CI -1.75~-0.47、p<0.001、I2=44%)。

筋サイズに関しては、24週間(6ヶ月程度)のディトレーニングでは影響が少ない可能性があり、31週を超える長期間のディトレーニングにより筋量は減少する可能性があります。

筋サイズは、パフォーマンスよりも長期間効果が残存するかもしれません。

トレーニングは継続することがなによりも重要です。

しかし、突発的にトレーニングが行えなくなることや、コロナ時期のような状況も起こりえます。

ディトレーニングの影響を理解して、プログラム設定や対象者への説明に役立てましょう。

まとめ

高齢者の筋力トレーニングに関わる要素について論文や資料を参考にまとめました。

  • 筋力の向上には70~79%1RMの運動強度が最も効果的な可能性がある
  • 筋肥大には51~69%1RMの運動強度が最も効果的な可能性がある
  • トレーニング開始初期は60%1RM程度(もっと低強度)の負荷から漸増的に上げる
  • 筋力トレーニングは長期間継続するほど効果的な可能性があるが、6~9週間の運動でも十分な効果が見込める可能性
  • 筋力トレーニング頻度は週2~3回
  • 筋力トレーニングの総負荷量が同程度の場合、頻度の影響は少ない
  • 高齢者のディトレーニングの影響として、パフォーマンス能力は12週間でトレーニング効果が減少もしくは消失する可能性
  • 高齢者の筋サイズの向上に関して、ディトレーニング12~24週間で統計的に有意な減少はないが、31~52週で有意に減少する

高齢者のトレーニングに関わる、みなさんの参考となれば幸いです。

参考資料

  1. Carol Ewing Garber, et al. American College of Sports Medicine position stand. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise. Med Sci Sports Exerc. 2011.
  2. Ron Borde, et al. Dose-Response Relationships of Resistance Training in Healthy Old Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2015.
  3. 池添冬芽.理学療法ガイドライン第2版ー地域理学療法ガイドラインを中心にー.地域理学療法学.2022.
  4. 幸田利敬.筋力トレーニング.運動生理.1994.
  5. 永田晟:筋と筋力の科学.不昧堂出版,東京,1984,pp19-164.
  6. 諸角一記,他.筋力増強における中枢神経性要因および筋肥大性要因の分析ー最大筋出力時の離散ウェーブレット変換による表面筋電図解析および筋厚の変化ー.理学療法科学.2021.
  7. Sale DG: Neural adaptation to resistance training. Med Sci Sports Exerc. 1988.
  8. 木彰 監修,解良武士 編集.リハビリテーション運動生理学.MEDICAL VIEW.2016.
  9. Abe T, et al. Time course for strength and muscle thickness changes following upper and lower body resistance training in men and women. Eur J Appl Physiol. 2000.
  10. Housh DJ, et al.: Hypertrophic response to unilateral concentric isokinetic resistance training. JAppl Physiol. 1992.
  11. Nádia L Silva, et al. Influence of strength training variables on strength gains in adults over 55 years-old: a meta-analysis of dose-response relationships. J Sci Med Sport. 2014.
  12. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
  13. Ryan J Colquhoun, et al. Training Volume, Not Frequency, Indicative of Maximal Strength Adaptations to Resistance Training. J Strength Cond Res. 2018.
  14. Grant W Ralston, et al. Weekly Training Frequency Effects on Strength Gain: A Meta-Analysis. Sports Med Open. 2018.
  15. Mujika I, et al. Detraining: loss of training-induced physiological and performance adaptations. Part I: short term insufficient training stimulus. Sports Med. 2000.
  16. Sara Blocquiaux, et al. The effect of resistance training, detraining and retraining on muscle strength and power, myofibre size, satellite cells and myonuclei in older men. Exp Gerontol. 2020.
  17. Astrid Zech, et al. Residual effects of muscle strength and muscle power training and detraining on physical function in community-dwelling prefrail older adults: a randomized controlled trial. BMC Geriatr. 2012. 
  18. Jozo Grgic. Use It or Lose It? A Meta-Analysis on the Effects of Resistance Training Cessation (Detraining) on Muscle Size in Older Adults. Int J Environ Res Public Health. 2022.

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